一般社団法人 出雲青年会議所

 
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理事長所信

 平成という時代が終わりを告げようとしている。
 新たな時代の激動の渦に、私たちは何を以て臨むのか。

 ある未来科学者がこう言いました。「2045年に機械が人間を超える日、シンギュラリティが到来する」と。これは人工知能(AI)が人類の知能を上回る時代が来るということです。そしてその予想によれば、現在人間が行っている職業のうち、ホスピタリティ、マネジメント、クリエイティビティに属するもの以外の九割がAIに取って代わられると言われています。働く人間は全人口の一割となり、他の九割の人は失業してもベーシックインカム(最低限所得補償制度)かフリーミアム(基本的なサービス・商品が無料で得られること)で生きていけると言うことです。耳を疑うような未来予想図ですが、先進国を始め世界の様々な場所で、実際にこのような事態の萌芽が報告され始めています。
 私は今、大きな危機感を抱いています。それは、シンギュラリティの到来により、人間が人間らしく生きていくための「生きがい」が無くなるのではないかという不安です。歴史を振り返れば、人類が誕生し狩猟で生存していた第一次社会、生きるために育てることを学び農業を行ってきた第二次社会、蒸気機関の発明から物流が盛んになった第三次社会を経て、人類の歴史は、コンピューター革命が世界のネットワークを大きく進化させた第四次社会を迎えるに至りました。私たちの生活は、社会が進むにつれて豊かになり、人類は繁栄を極めています。そして時代は、AIとビッグデータが起こす機械革命時代である第五次社会へと突入していきます。AIを搭載したロボットが生活だけでなく生産・管理・物流までありとあらゆる社会の場面に関わってきます。これにより、第四次社会以上に生活は便利になり、豊かになるでしょう。しかし、人間の生き様は、本当に豊かになるのでしょうか。むしろ、やりがいを持って取り組んできた仕事をロボットに奪われ、人生に意味を感じられないままに、ただ生かされるだけの存在に成り下がってしまうのではないでしょうか。
 そんな時代を迎える今、私たちが人間らしく生きるために必要なもの、また次代の子どもたちへ引き継いでいかなければならないものは、「生きがい」のある人生です。そして人が人らしく生きるための「生きがい」は、利己的価値観に基づく自分のための人生からは生まれません。「生きがい」とは、自らを顧みず誰かのために尽くす利他的価値観からのみ生まれるものであり、世のため人のために尽くせる公の精神こそが「生きがい」の根源なのです。これこそが、日本建国の時より2679年もの永きに亘り脈々と受け継がれてきた私たち日本人の誇りであり、失ってはならない精神性であります。そして、この不滅の精神を持つ同志たちが手を取り合い、限りない可能性を信じて、新しい価値を作り上げていくことが「生きがい」の創出につながっていきます。この利他的価値観から生まれる「生きがい」の創出は、これまでの社会に生じてきた「競争」による発展を、質的にも量的にも凌駕する可能性を秘めた「共創」を実現していくことができれば、来るべきシンギュラリティの中でも、ただ活かされるだけではない、真に豊かな人生を送ることができるのです。
 いつの時代も変革者たらん私たちJAYCEEが、「共創」の大切さに気付き、自らを変革していきましょう。自らが変わり、自らの魅力に集まった周りの人を変え、自らの営みをより良くし、地域に貢献していきましょう。青年期における経験は、後々の自らを限りなく大きな存在へと変化させます。そして、JCには、皆平等に機会が与えられる立場や役職があります。その立場や役職を活かすも殺すも自分次第であるのなら、限りない可能性を信じて自らの次なる一歩を追い求め、青年らしく行動しようではありませんか。仲間のために尽くす情熱と自らが変わる勇気の中にこそ「共創」が存在し、成長という大きな可能性の先には、英知を纏う自分が必ず待っていると信じて、果敢に挑戦していきましょう。

 人は限りない可能性を秘めている。
 自らを変えられない者に社会を変えることはできない。
 志高く「共創」を追い求め大きな自己成長への終わりなき旅を続けよう。

<具体的政策>

① 長期、短期の展望と事業展開

私たちがJC運動を通して常日頃より追い求める「明るい豊かな社会」は、AIとビッグデータを併せ持つコンピューターに依存し、自らが考え学び行動することを放棄した社会ではありません。私たちは、志を同じくする仲間たちと手と手と取り合い、どんな時代が訪れようとも決して諦めず、自らが新しい時代を切り拓いていく公の精神を持つ者の集まりにならねばならないのです。迫りくる新しい時代を拒絶するのではなく、私たちが時代の先駆けとなるよう、これまで自らが培ってきた知識という横軸と、様々な成功と失敗を繰り返し行動してきた経験という縦軸の交差から生まれる新たな「知恵」を、世のため人のために志を同じくする仲間と共に学び、大きな次なる一歩を共に歩んでいきましょう。時には苦しいこと、いや苦しいことしかないのかもしれない「生きがい」を、自己成長を通して大いに楽しみ、魅力溢れる人財が集う新たな出雲の未来を切り拓いていきましょう。

② 組織並びに運営について

『報恩謝徳が新たな生きがいを生むひとへの創造』

東日本大震災後の景況の変化を受けて、企業が人財となりうる人を選ぶ時代から、人に企業が選ばれる時代へと移り変わっていきます。選ばれる企業であるためには、私たちを支えてくれる人々に思いを致さなければなりません。私たちは経営に携わる者の集まりであり、日々のJC活動も良き周囲の理解者の支えがあって初めて成り立っています。周りの理解者が私たちに求めていることの本質を一人ひとりが理解し、自らの成長を通して社業に活かしてこそ、支えられていることへの恩返しができるのではないでしょうか。だとすれば、私たちがこれからの新しい時代を見据えた経営の在り方を学び、それを社業に活かしていくことが、私たちを支えていただいている理解者の「生きがい」にもつながるのです。まずはより大きな視野を持つために見識を広げ、一人ひとりの業種に即したマッチングを行っていきましょう。そこには、支えていただいている理解者の喜びが自らの喜びへと変わる新時代の「生きがい」が存在していると信じて、力強く行動しましょう。

『継往開来の志で実現する新出雲の創造』

よくJCしかない時代からJCもある時代へ変わったと言われます。確かに青年経済人の集まる団体は他にもあります。しかし社会を変えるだけの力を持つ団体は、JCの他にあるのでしょうか。社会を変えるためには、自ら社会の課題を抽出し、解決への糸口を多角的視点から捉え、PDCAを繰り返し、時代に即した最適な形を築きあげることが必要です。これができる団体は、JC以外にはありません。これまで私たちは、出雲の地域に即した伝統と文化を時に守り、時に創り、社会のための独立した価値を提供し続けてきました。これから新たなシンギュラリティの時代を迎えるにあたり、私たちがこの地域に果たすべき役割を一人ひとりが自覚し、神話の国として育まれた出雲の歴史と文化を理解した上で、未来への先駆けとなる新出雲のモデルケースを創造していく必要があります。出雲の地域特性と最先端技術の融合こそ、「生きがい」に溢れた新時代の創出となるはずです。私たちJAYCEEは、これから地域を牽引する青年経済人として積極果敢に社会的役割を果たしていきましょう。

『覧古考新が切り拓く可能性に満ちた組織運営』

私たちは、この出雲青年会議所に入会した時より出雲流のおもてなしを学んできました。おもてなしとは、相手を迎える立場において相手を敬う心です。まずは相手を考え、自らができる精一杯を尽くすこの心こそ、日本人の和心であり、私たち出雲青年会議所の精神性の核心です。また、私たちは、それと同時に先輩諸氏より脈々と受け継がれてきた出雲の規律も学んできています。この規律は、出雲青年会議所の歴史そのものであり、この出雲流のおもてなしと規律という私たちの精神と歴史を今一度真に問い、伝統を継承していくことが必要であります。他方で、時代に即した活動を続けていくためには、私たちがこれまで培ってきた人脈と新たなメディア戦略を駆使し、私たちの「生きがい」をLOM内外に幅広く発信し、周知から理解へとつなげていく必要があります。古きを覧て新しきを考察したその先には、可能性に満ちた活力ある組織が必ずあると信じて行動していきましょう。

『肝胆相照の限りない友を求める会員拡大』

私はこの出雲青年会議所に入会してから多くの人と出会い、様々な経験と学びをいただきました。JCは「大人の学び舎」とよく言われますが、メンバー一人ひとりが本当に魅力溢れる人たちばかりです。しかし、このJCには完璧な人は一人もいません。なぜなら、完璧とは自らが自分の価値を終わらせていることと同じだからです。人は日々大小関わらず新たなことを学びます。その学びを活かし成長していくことこそが「生きがい」となるのです。そして、新しい出会いの中には、無限の発見と学びが眠っています。自らの新たな成長を追求するならば、新しい友との出会いは必要不可欠であり、一人でも多くの新しい魅力を取り入れることで、私たちの可能性は無限大に拡がっていくはずです。お互いに切磋琢磨して成長し合える限りない友との出会いをもとめていきましょう。